バックパッカーへの道しるべ
へとへとになって名古屋駅で帰りの新幹線を待っているとき、最後の事件がありました。帰りの新幹線が出発する10分前、出発ホームへ登ったところ長女が行方不明。慌てて待合室やホームを探したのですが、どうも見当たりません。直前の行動を考え直しているとホームへ出た直後、長女に出発ホームと座席番号を教えたのを思い出しました。実際乗るはずだった列車はその一本後だったのですが、脊髄反射行動に長けている長女はホームで待っていた一本前の列車に乗ってしまったに違いありません。乗るはずだった列車に乗りそびれ、ホームから数度の呼び出しと先発列車への確認を駅員さんにお願いしたところ、案の定先行列車内で車掌さんに保護されていることがわかりました。
いつもは喧嘩が絶えない次女ですが、長女が行方不明になった後めそめそしていました。なにはともあれ長女の無事を次女に告げると、へへへという顔をして笑顔が戻ります。ヤレヤレ、だから女の子は信用できない。
駅員さんの取り計らいで東京駅で長女と落ち合うことになりました。次女は長女と分ける予定だった名古屋サンドを独占し、ご機嫌です。私はひと安心とばかりに、「みそかつ&えびふりゃ〜弁当」をおつまみに呑んだくれることにしました。ちなみに最後の長音記号は「ー」ではなく、「〜」です。適当にビブラートをかけるのが、正しい発音なのでしょうか。
東京駅到着後、新幹線の南側改札方面にある駅員事務所へ行き、長女をピックアップしました。どんな神妙な顔をしているのか、相当なショックを受けているのではないかとドキドキだったのですが、本人はケロリとしていました。駅員さんと本人の話を総合すると、名古屋出発後に車掌さんに保護され、車掌室に移動。その後、車掌さんの取り計らいでグリーン車の空き座席を陣取って悠々と車窓見物をしていたそうです。東京駅到着後はテレビを見ながら煎餅を食べ、ジュースを飲んで迎えを待っていたとか。この一人旅に味をしめて、バックパッカーになってしまわないかと心配になりました。