Numitron Project

ニキシ管とLEDの狭間

2003/10/13

きっかけ

 部品箱の中には長年秋葉やハムフェアなどで手に入れた怪しげな部品が眠っています。以下に示す写真の部品は、20年以上前にハムフェアで買った部品袋に入っていた物ですが、どうせニキシ管かその類の放電管かとばかり思っていました。

 しかし先に製作したニキシ管関連の資料を集める過程で、これらはフィラメント発光素子であることがわかりました。注意深く見てみると、各セグメントの抵抗値を同じにするためにDP はコイル状又はバッテンになっています。写真左側の DIP Type が Minitron、右側の Tube Type が Numitron と呼ぶようです。直射日光下でもでも視認性が良く、航空機のパネルなどに使われていたようです。また、寿命もセグメントあたり10万時間もあり、信頼性はなかなかのものです。
 資料を見る限りは 5V で動作するようで、試しに電源を接続するとセグメントが電球色で明るく発光します。何はともあれ国内外の製作例も無いことから、簡単な表示デモ基板を作ってみることにしました。

概要

 この素子はニキシ管と違って 5V 動作ですから、特殊な電源を用意する必要はありません。電源は 12V 入力として基板上で 5V にレギュレートしています。また、制御部分は Basic Stamp を使ってみました。これは PIC に Basic を搭載したものですが、簡単なシーケンス制御にはとても便利です。デバッグやCodeの書き込みは PC とシリアル経由で接続して行い、しかもインラインでも問題ありません。基板上の 4Pin 端子は、そのシリアル接続用です。Numitronについては Basic Stamp の出力をトランジスタアレイ経由で接続しています。デモ動作はセグメントの回転→ランダム→カウントアップとしました。動作中の様子はこんな感じです。

おわりに

 この部品についてはニキシ管ほど広く使われなかったのか、少なくとも日本語の資料は見あたりませんでした。LED やニキシ管のように電流制限抵抗が必要なのかどうかで真面目に悩んでしまいましたが、少なくともメーカが出している英文資料を見る限りは一言も触れられていません。念のため電流制限抵抗無しでセグメント電流を測定しましたが、とりあえずメーカ仕様を満足しているようです。よって今回製作したデモ基板では、電流制限抵抗無しで良しとしてあります。