SAYONARA USA
最後の夏休み Four Corners 巡礼ツアー
9/22 - 10/1/2000
きっかけ
最後のチャンスともなれば、多少の無理を押してでも何かやろうとするものだ。それは動きの鈍い子連れ家族とて同じであった。北米に引っ越してから三年が過ぎ、来年早々に日本に帰ろうという最後の夏休み、一番アメリカらしい風景を見に行こうということでIndian
4州、すなわちFour Corner Countries を巡る10日間の旅行計画が持ち上がった。
計画
上は三歳、下は一歳のガキんちょ供は最近協調行動をする知能を獲得し、なかなか侮れない。下も歩行能力を獲得して久しいため両手が自由になり、物を持っての移動力もなかなかのものである。最近は家の中の小物がよく行方不明になる。
子連れであることを考慮して、以下の条件を宿泊先選定の目安とした。
1)ガキんちょは衣服を激しく汚す。当然親も無事では済まされないので、コインランドリーは必要。
2)手荷物+ガキんちょ×2を連れて行くことを考慮して、一階に部屋が取れること。
幸いにもこれらの条件を満たす宿泊先として、北米では一般的なモーテルがあり、AAA
(JAFのような組織) がまとめたTour Guideを参考に予約などの準備を行った。宿泊先の予約は国立公園内の宿泊施設には自分で電話をして予約を行い、街中のモーテルはAAAのWebから予約をした。後日Confirmationが郵便で送られてくるので、これを揃えて持って行けばチェックインのときに困らなくて済むだろう。
なお、飛行機とレンタカーの予約、Las Vegasでの宿泊先は、いつも旅行のお世話をしてくれるSan JoseのJTBオフィスにお願いした。
旅行日記
9/22
- San JoseからLas Vegasへ
朝一番の7:15AMの便を使った為、4:30AM起床、コーヒーをがぶ飲みして5:15AMには自宅を出発した。案の定、Long
Term Parkingからターミナルへの移動に手間取り、搭乗開始にぎりぎりで間に合った。
値段で選んだSouthwestの機内には、6人がけの対向座席がある。子連れは一番最初に搭乗できることもあり、家族揃って向かい合わせで座った。子供は窓際に向かい合わせに座らせたが、お互いにちょっかいを出し合って、比較的おとなしかった。なお、下の子供は飛行機の座席には座れないので、チャイルドカーシートを持ち込み利用した。(重かった...)
教訓 : 子供は向かい合わせに座らせると比較的静か
早起きをしたお蔭で、9時過ぎには無事Las Vegasへ到着した。その後、荷物を受け取りレンタカーの手続きをし、ちょっと小さめであるがChevのPrismを借りることにした。車に荷物を移し換えているいるときに、上の子供がやたらと静かにしている。よく見ると、石で車体に落書きしているようであり、これが第一の事件発生であった。名前を書かれなかったのが唯一の救いであるが、レンタカー会社にはどのように言おうか... 先が思いやられた。
午前中早い時間にLas Vegasへ到着した為、郊外のRed
Rock Canyonへ立ち寄ることにした。ここは比較的Las Vegas市内から近く、ちょっと気晴らしに景色を見に行くにはもってこいの場所である。ここは以前Death Valleyへ旅行した時も、時間潰しに立ち寄ったことがある。今回の旅行は何ヶ所かの国立公園をまわる予定になっていた為、国立公園の通年パスを購入した。が、ここでは使用できなかった。途中尾が白い犬を見てカミさんがジョークを飛ばしていた。ジョークの内容はご想像に任せるが、ストレスが溜まっているのだろうか。
- Hotel Circus
Circus
Las VegasでのHotelは子供にエネルギーを使わせるため、子供向けの施設があるCircus Circusへ宿泊した。ここはHotel併設のカジノの他、誰でも無料で見ることのできるサーカスがある。家族で無料のサーカスを見て、少しだけ子供と射的のようなゲームで遊んで早々に寝た。
9/23
- Las VegasからZion
National Parkへ
5:30AM起床。ネオンの消え止まぬLas Vegasを後にして、一路15号線で北に向かいZion National Parkを目指す。数時間も走ると、NevadaからArizona経由でUtah州へ入る。西海岸時間から山岳部時間帯に入るので、時計を一時間進めた。Zion
National Parkは15号線沿いのKolob CanyonとZion Canyonがあり、まずはKolobへ向かった。周辺に建っている家はMotor
Houseが目に付く。
- Kolob Canyon
Kolobは気温が低く、まわりの数少ない観光客もコートを羽織っていた。ここで今後の予定を検討した結果、時間もあるので予定外のBryce Canyon
National Parkに立ち寄ろうという話になった。そこでさらに15号線を北上しCeder Cityより州道の14号線に入った。ところが30分も行かないうちに、昼前から断続的に降っていた雨が徐々に雪に変わり、路面にも薄白く雪が積もり始めていた(Movie)。今回は雪の装備も心構えもできていないので、Bryce
Canyonは諦め、本日の宿泊地であるSt.Georgeへ向かった。宿泊先はBest
Westernで、晩飯は徒歩で行ける近くの中華バッフェで簡単に済ませた。
9/24
- St.GeorgeからZion National Park Zion Canyonへ
6:30AM起床。朝飯であるマクドナルドの朝食セットを食いながら、今日の予定を確認した。St.Georgeからは15号線経由で州道の9号線に乗り、Zion
Canyonを目指す。
- Zion Canyon
色々と期待していたZionでの観光であるが、去年から公園内での混雑解消のために旅行者は全てシャトルバスを利用することになっていた。子連れでのバス移動はしんどいため、国立公園奥地への移動は諦め、一気に今日の宿泊地であるGrand
Canyon North Rimを目指すことにした。
- Checkerboard Mesa
途中、某ガイドブックにも掲載されていたCheckerboard Mesaで休憩した。案の定、様々な国の観光客が入り乱れ、早々に退散した。
- Kanab
州道9号線を走ってしばらく行くと、やたらと開けた場所へ出た。ここらへんはNational Forestであり、ちょっとした見晴台のような場所もあったので、休憩することにした。
見晴台ではIndian Jewelryの露店が店を広げていた。同じ場所に「商売するな」との立て看板があるようだが、テープで目隠しされていた。この人里離れた地にも、商魂は健在のようである。
- Grand Canyon North Rimへ
Kanabを過ぎ、平坦な山道を抜け国道89号線経由でNorth Rimへアクセスできる唯一の道である州道67に入った。辺りは紅葉した白樺(?)と松の混成林で、とても奇麗だった。今回の旅行では
Flagstaffから直接アクセス可能である South Rim は日本に帰った後も訪れるチャンスがあるだろうという事で避け、比較的マイナーなNorth
Rimへ宿泊することにした。宿泊できる施設が限られているNorth Rim でのLodge予約は最大の懸案であったが、旅行直前になって何とかキャンセル待ちで一部屋確保できた。
今晩の宿泊先であるGrand Canyon Lodgeは4時を過ぎないとチェックインできないらしい。その為、近くを歩いて回ることにした。
Hotelの裏手は、既にGrand Canyonの断崖であり、眼下にColorado川が見える。この景色を見て、一泊だけしか予定に入れなかったことが大変悔やまれた。
左の画像の高解像度版はこれ
壁紙用のセピア色に変換したものはこれ
ここは北米の観光地にしては日本人観光客の少ないところらしい。唯一展望台で東海岸から来たという日本人旅行者から比較的開けた観光地である対岸のSouth
Rimの様子を聞くことができた。どうやら熱海のような場所らしく、一生行くことはなさそうだと思った。この日は4時に予定通りチェックインし、Lodge併設のレストランで
Grand Canyon に沈む夕日を眺めながら晩飯を食った。Las Vegas で買ったバーボンで作った水割りを飲みながら、久しぶりに満天の星空を眺め、明日に備えて早々に寝た。
9/25
- Kayentaへ
今日は早起きは避けて8:00AM頃に起床した。朝食をLodgeで取り、一路今晩の宿泊地であるMonument ValleyのゲートシティであるKayentaへ向かった。とは言うものの、時間的に余裕があるのでGrand
Canyon内をうろちょろし、20mile程横道に入ったAngel's Windowへ向かった。ここは断崖に空いた穴からコバルト色のColorado川が見通せる。これは絶景である。
North Rim は人も少なく、大草原の小さな家のようなLodgeに泊まることができて満足だった。次はいつ来られるだろうか。
- Vermilion Cliffs
North Rimから山道を下り、Jacob Lakeで昼食を撮った。89号線に戻り暫く走ると、途中やたらと開けた場所へ出た。眼前にはGrand
Canyonと同じ赤い色の崖Vermilion Cliffsが見えてきた。(まさに「赤い崖」そのままの名前)
赤い崖を眺めながら一路東へ進む。途中何ヶ所かHistoric Markerという歴史的に意義のある場所だという立て看板があった。一見したところ何もなさそうな場所だったが、他に止まるきっかけになりそうな場所もなさそうなので休憩することにした。
車を止め辺りを見渡すと、本当に何も無い場所である。どうやらこれらの場所は当地を探検した白人が通過した地点らしい。上の子供は同じ場所に駐車していた車に同乗した犬に遊んでもらおうとちょっかいを出し、体当たりの逆襲にあった。犬は遊ぼうとしたらしいのだが、飼い主にひどくひっぱたかれていた。悪気は無いのだろうし、犬にとってはとんだとばっちりである。
教訓 : 悪意の無い行動でも裏目に出ることがある。相手が弱者なら特に要注意。
- Navajo Bridge経由でKayentaへ
引き続き89号線を東に20mile程走り、Grand Canyonからは眼下遥か下に見えていたColorado川を渡るNavajo
Bridgeへ到着した。ここには新旧二本の橋が架かり、旧道は歩行者用に開放されている。
眼下を見ると、遥か下のColorado川をボートで下っている連中が見える。どうりて物を投げるなと注意書きがある訳である。後で聞いた話によると、Lake
Powell発のボートツアーがあるらしい。一人あたり$500-程度、一週間程のツアーらしいが、宿泊は勿論川岸でのキャンプである。最後はヘリコプターでピックアップし、元の場所まで連れて帰ってくれるらしいが、アメリカ人の物好きには頭の下がる思いである。
Kayentaの宿泊地であるHoliday Innへ到着した。時間を確認したところGrand Canyonと一時間ほど時差があるらしい。どうやら同じ時間帯でも州やIndian居留地かどうかによってSummer
Timeの導入に違いがあるらしい。一時間得したので、この日は洗濯をした。
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