Golden Week at Honmoku Fishing Park

本牧海釣り公園で過ごす休日

5/4/2001

きっかけ

 四月末の海外出張からは無事に帰還したが、その快適な空の旅とは裏腹に連休に二日も食い込んだ帰国日は家族の顰蹙を買うこととなった。また、連休中には特に出かける計画も無く、日本での住まいができるまでの間居候をすることにしている実家での白い視線もちょっとは気になる。そこで今回は日本に帰ってから初の家族サービスの一環として、横浜の本牧での海釣りを計画した。

準備

 春先の本牧では投げ釣りによるキスか、岸壁からのサビキ釣りによるイワシなどが狙い目だろう。当日は若潮であり潮があまり動かない為、釣りをするコンディションとしてはあまり良くない。あまり釣果は期待せず、ガキんちょを放牧することを第一の目的とした。

 主たる装備は釣り竿や小道具などを実家の押し入れから発掘したが、やはり長年しまい込んでいただけにぼろぼろである。釣り竿やキスの投げ釣り仕掛けなどは一部再利用できそうだったが、ほとんどの金物は錆び、道糸はパーマになっていた。そこで今回は無理をせず、必要な装備は近所の釣具屋で新規購入することにした。

 例によって仕掛けは市販の出来合いのものを使用した。まず、投げ釣り仕掛けはジェット天秤と共に手持ちのものが使えそうだったので、それらを持って行くことにした。

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 また、岸壁からの釣りにはサビキ仕掛けを新規に購入した。釣具屋に行くと、様々な種類があるのだが、今回は3セット入って\100-の格安ものにした。

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 最後に釣り餌であるが、サビキ用にはビニールパックに密閉封入されたコマセを購入し、また投げ釣り用には今回の釣りのドライバーを務める弟お薦めの人造生餌を使用した。いやはや、技術は進歩したものである。

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 他にサルカンやおもり、竿とリールの格安セットを購入し、しめて\7500-の出費である。まあ、二組分を購入したにしてはまあまあ安く上がったのではないだろうか。

海釣り公園まで

 本牧海釣り公園は15年以上前、何度か始発電車に乗って出かけたことがある。しかし、その後は釣り自体ほとんど行く機会も無く、先細りの失われた趣味となっていた。今回は装備も含め心機一転、それに加え久しぶりの遠出だけに楽しみだ。

 当日4:30AM起床、5:30AM過ぎには上のガキんちょを伴い弟の運転で出発する。やはり自分で運転しない車での移動は楽ちんだ。首都高速を護国寺から入り首都高速五号線、環状線を経由し八重洲線を抜ける。八重洲線は弟にとってトラウマの場所であったが、時間を節約するために無理やり走らせた。カーナビの推奨するルートは羽田線であるが、それを無視して景色のいい湾岸線を経由して本牧へ向かう。

 出発から40分後、本牧出口を降りしばらく走ると無事に現地に到着した。東横線の始発でえっちらおっちら出かけた頃とは雲泥の差である。やはり大人になったら楽ちんさを追求するに限る。本牧海釣り公園併設の駐車場は早くも満杯だ。ぎりぎりで最後の数台分の駐車スペースに間に合った。海釣り公園の入り口は7時前ながら、早くも長蛇の列だ。これは入場券を求める人の列であり、回数券を持っている人はすぐに入場できるはずである。

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 ちなみに駐車場は一日\500-、海釣り公園への入場料は大人が\900-である。入場料はお得な回数券もあるので、それを購入するのがいいだろう。

釣りの実際

 今回はガキんちょ連れである為、受け付けで無料のライフジャケットを借りることにした。その後、早速公園内に入り、釣りをする場所を探す。本牧では岸壁に加え、会場の桟橋からの釣りも楽しめる。岸壁ならば柵もあるので子連れでも安心だ。連休中に加え、久しぶりに雨が上がったので岸壁は釣り客でごった返しているし、ビールやおつまみを広げ、既に宴会モードに突入している釣り客もいるようだ。日の高いうちから飲む酒は最高にウマいのはわかるのだが、一体彼らは何をしにここまで来たのだろうか?

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 さて自分達も場所を確保し荷物を広げ、仕掛けの準備をすすめる。まずはガキんちょの竿にサビキ仕掛けをセットアップし、竿とリールの動かし方を教える。うちのガキんちょも、竿を持つ姿は四歳前にしてはなかなかサマになっているようだ。続いて自分も釣り糸を垂らす。

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 仕掛けを投入して20分もしないうちに、ガキんちょの竿に当たりがあった。仕掛けを上げてみると体長10cm程度のイワシがかかっている。早速クーラーボックスの中に投入する。ガキんちょは狂喜乱舞・大絶叫だが、魚を握り締めた手が鱗だらけになって、呆然としていた。

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 また、投げ釣りを始めた弟の竿にも早速何かが引っかかったようである。引き上げてみると、最初はゴム手袋かと思ったが15cm程度の黄色いヒトデだ。結果的に本日の大物賞である。ヒトデは結構引っかかるらしく、岸壁には干からびたヒトデが所々で干からびていた。

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 さっぱりとアタリの無い投げ釣りを横目に、イワシ狙いのサビキ釣りは順調に釣果を上げている。釣り客の密度も上がり、投げ釣りは仕掛けが絡むリスクが大きくなってきた。そうこうしている内に、お隣さんのサビキ仕掛けと弟の投げ釣り仕掛けが絡まってしまった。(釣り用語で言うところの「お祭り」) 投げ釣り仕掛けを犠牲にして、何とか仕掛けを解くことができたが、これに懲りたのかようやく弟は投げ釣りは諦めサビキ釣りをすることになった。まさに若さと馬鹿さは紙一重である。

 昼飯は簡単に売店でカップラーメンを買った。ここの売店ではデフォルトでお湯を入れてくれるようだ。残念ながら、昼飯後さっぱりとアタリが無くなった。潮流の関係か赤潮も出てきたので、釣りはそこそこにまわりの状況を見回すことにした。

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 ガキんちょも魚が釣れなくなったので、ちょっと飽き気味である。時々まわりで釣れた魚を見に行ったり、クーラーボックスを開けて釣った魚を握り締めている。魚に取ってはいい迷惑だ。ガキんちょを伴い、渡り桟橋を経由し釣り桟橋に渡る。どちらの桟橋も釣り客でごった返している。特に大物をつり上げたり大漁の人はいないようだ。岸壁で釣れているイワシに加え、カサゴなどがぼちぼちと釣れているようだ。あまり釣れていないのか、ふて寝している釣り客もちらほら見える。

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 元の場所へ戻った後、ガキんちょは疲れ切ったのか寝てしまった。しばらくは静かに釣りが楽しめそうだ。

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 やはり午後はさっぱりアタリが無い。時々エラク強いアタリがあるのだが、仕掛けとおもりをごっそり持って行かれた。まわりでは20cm程度のボラが上がっているので、おそらくこれが犯人だろう。ボラは引きが強いので、それを狙うのも面白いかもしれない。

 5時過ぎになると周囲も薄暗くなり、まさに引き上げる潮時となった。横浜にあるカミさんの実家に子供を投棄し、首都高速で家路を急ぐ。やはり連休中は事故も多く、渋滞の主たる原因となっているようだ。

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料理

 さて本日の釣果はイワシのみの18匹である。1匹あたりの単価を考えると、えらく高くついているがレクリエーションとは損得ではないと思う。本日ガキんちょはカミさんの実家に投棄する予定になっているので、おすそ分けということで5匹を置いてきた。

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 残った13匹を居候中の実家に持ち帰り調理することにした。

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 網焼きにするには、このイワシは小さ過ぎるし身が柔らか過ぎる。そこでちょっと手間はかかるが、うろこと内臓を取り、丁寧に三枚におろしてつみれ汁にすることにした。イワシは身が柔らかく、半身を包丁で落とし残り半分は指で背骨を取ることができる。

 この三枚におろしたイワシを包丁でミンチにする。イワシの長手方向と平行に包丁を入れ、小骨を切るようにすればいいだろう。これに、おろし生姜を少し加えてかき混ぜる。また、汁はカツオだしにしょう油を加え味を整える。これをぐらぐらと沸騰させ、そこに先程のイワシのミンチをスプーンで投入すればOKだ。最後にきざんだ長ねぎを入れて完成である。量に不満はあるのだが、材料が新鮮なだけにいい香りだ。

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最後に

 久しぶりに海に出かけたせいか、なかなか快適でいい気分になった。ガキんちょも本当の魚釣りができて満足してくれたと思う。やはり子供には、おもちゃでは無いリアルな体験が必要だ。