SAYONARA USA
Death Valley 再び
11/23 - 11/27/2000
きっかけ
目の前にはThanksgiving Day (感謝祭) の四連休が控えていた。去年は七面鳥の丸焼きに挑戦したが、今年も同じことをやるのは芸が無い。そこで今年は何か別のことをと考えていたところ、ふと去年のクリスマスにDeath
Valleyに旅行したことを思い出した。
当時は下の子供が生まれた直後の混乱と子連れ旅行の不慣れさのため、満足度としていはいまいちだった。また、大量に撮ったはずの写真も紛失してしまっていた。そこで今回はそれらの雪辱を晴らすため、今までの経験を生かしDeath
Valleyに再挑戦することにした。
計画
99年の旅行と同じく、当初は飛行機でLas Vegasに移動し、そこを拠点として行動する計画を立てた。しかしThanksgiving
Dayの混雑のため、一ヶ月前でもチケットが全く手に入らず断念せざるをえなかった。前回の夏休みの経験から長距離の車での移動に自信が付いたので、今回は陸路でDeath
Valleyまでアプローチすることにした。
ただし目的地まで一気に移動すると一日の移動距離が極端に長くなるので、途中に中継地点を設定し無理の無い計画にした。宿の予約は例によって
Internet で行い、難なく三泊分の予約を済ませることができた。
旅行日記
11/23
- SanJoseからChina Lakeへ
早朝4:30AMに起床し、手早く出発の準備を整えた。今回は陸路だけの移動であるため、荷物の量には制限が無い。荷物には絵本やぬいぐるみなども加え、必要十分と思われる物資を車に積み込んだ。前回の旅行の教訓を生かし、チャイルドカーシートの下にタオルを敷き汚れ防止とした。砂漠は喉が渇くのか、案の定ガキんちょ供はやたらと水を欲しがったが、このタオルは車内の汚れ防止に効果絶大であった。出発前、ガキんちょ供は比較的神妙にしている。
車はまだまだ奇麗だ。
近くのガソリンスタンドで給油し、飲み物とスナックを補給した。
すぐ近くのフリーウェイの入り口から州道85号線に乗り、その後国道101号線に入り一路南を目指す。
- CASA de FRUTAでの朝食
101号線をGilroyまで南下し、州道152号線に入った。Gilroyはニンニクの名産地であり、窓を開けているとその強烈な匂いが漂ってくる。しばらく走ると右手にCASA
de FRUTAというドライブインが見えてきた。丁度朝飯の時間でもあり、急ぐ旅でも無いので休憩することにした。やはりThanksgivingらしく、七面鳥の飾り物がレストラン内に飾ってある。
朝飯は、やはりスクランブルエッグ、ベーコン、ポテト、トーストといったAmerican Breakfastである。季節外れのスイカはご愛敬であるが、案の定ガキんちょ供に奪われた。
ドライブイン内にはちょっとした公園もあり、ガキんちょ供を放牧することにした。園内には模型の客車が置いてあったり、
見たこともないような、巨大すべり台も置いてある。他の家族連れの子供が絶叫しながら滑り降りていた。
- 国道5号線で南へ下る
さて、朝飯も食べ終わり再び152号線へ戻る。その終点で国道5号線に乗り、一路南を目指す。5号線はLos Angelsを経て、メキシコ国境付近までを結ぶ国道である。Los
Angels迄はこれといった大都市も無く、所々に交差点町があるだけである。途中本当に何も無いところには公共の休憩所が設置してあるが、そこはトイレと電話、自動販売機があるだけの簡単なものである。Thanksgivingの人出でトイレはえらい混雑だ。
- 州道46号線で東へ
5号線を120mileほど南へ走り、州道46号線に入る。丁度昼飯の時間なので、西海岸では比較的よく見かける Carl's
Jr. でハンバーガーの昼飯を食べることにした。全く全米どこに言ってもガソリンとハンバーガーには困らない。まさに砂漠のオアシスである。
ここは子供を遊ばせられるようなプレイエリアが設置してあり、子供を放牧することにした。
昼飯の後、出発前に二回目の給油を行うことにした。ここで本日の旅程の3/2程度を終えたことになる。ちょっと安めのスタンドを選んだら、レギュラーが売り切れだった。アメリカ人は値段のこととなると、途端に厳しくなる。
- 風車地帯
5号線をBakersfieldまで走り、そこで州道58号線に入る。しばらくして、正面の山に信じられないぐらい大量の風車が回っているが見えた。これらの風車は風力発電のために設置されているらしい。二酸化炭素の排出制限に反対しつつ裏ではこんなことをやっているなんて、アメリカ人は本当に理解不能だ。
左の画像の高解像度版はこれ
壁紙用のセピア色に変換したものはこれ
これら大量の風車はTehachapi Passという地域に設置してある。California全域では発電の為に16000基近い風車があるそうだが、その内の5000基がTehachapiに設置してあるそうだ。この風車を回す風はMojave付近の砂漠が熱せられて上昇気流が生じ、そこへ海からの冷たい空気が流れ込むことで発生する。現時点ではCaliforniaの全電力使用料の1%を供給しているに過ぎないが、最終的には10%迄発電量を増やす計画があるそうだ。
感動のあまり蘊蓄が続いてしまったが、風車に付いてさらに知りたい人はここをお薦めする。Tehachapi Passの風車地帯に付いて公式のHomepageらしきものは見つからなかったが、いくつかの質問とその答えがこちらにあるので、理解を深めるために参考にするといいだろう。
- 格安モーテルに宿泊
58号線からMojaveで州道14号に入り、日没も過ぎた頃に本日の宿泊地であるRidgecrestに到着した。本日の走行距離は既に380mileとなり、疲労の極みである。しかし、こんな時に第一の事件が発生した。
前にも書いたように、Hotelの予約は事前にInternetで行ったが、何の手違いからか本日宿泊予定のBestwesternには予約が入っていなかった。このHotelには他に空き部屋も無く、とっとと他のHotelをあたってみることにした。
とりあえず近くをうろちょろしてみた。晩飯もまだだし夜も更けてきたので、直近の格安モーテルであるMotel6に挑戦した。とりあえずは空き部屋もあり、ツインルームが何と$39.95である。家族四人でこの値段だと思うと無茶苦茶安い。部屋に荷物を運び込み、まずは冷静に安さの秘密を分析してみた。
- シャンプーが無い (石けんはある)
- コーヒーメーカーが無い (朝方フロントに用意してあるそうだ)
- ティッシュが無い
- トイレの鍵、便器のフタが無い
- トイレットペーパーの予備が無い
- 衣類を収納する引き出しが無く、棚があるだけ
- シャワーのバスタブが無い
- 電話が壊れかけ
いずれの差も致命的ではないにしろ、なかなか興味深い。前も述べたように、アメリカ人はかけるコストと結果又はサービスを見切るのがうまいと思う。そうでなければ、このような格安モーテルは成り立たないだろう。
- Denny's で晩飯
Hotel探しのダメージから回復する間もなく、晩飯を食うために夜のRidgecrestをうろちょろした。さすがThanksgivingの連休のためか、目を付けていたSteak
Houseは閉まっていた。仕方なく唯一開いていたDenny'sで晩飯を取ることにした。
これが上のガキんちょ用晩飯であるSmiley Face (Mickey Mouseと呼ぶこともある) である。(本人がメニュー見て選択) これは、全米どこでも見かけるとも呼ばれる子供用のメニューであるが、ご覧のように栄養バランス糞食らえという感じの食事である。子供用のビタミン剤があるのも理解できる。
自分はStake House が諦めきれずT-Bone Stake を食った。$10程度だったが、なかなかウマい。やっぱり地のモノがウマいのは世界共通だろう。
カミさんはBaked Shrimpを食った。砂漠の真ん中で食うシーフードはいかがなものだろうか。
本日はガキんちょを含めて全員風邪ぎみなので、Hotel に戻り早々に寝ることにした。SanJoseから持ってきたワインを一口飲んだだけで意識が遠くなった。
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