旅行記その2へ
11/24
- 再びDeath Valleyへ
朝方シャワーのお湯が出ないという第二の事件が発生したが、特に動じることも無く朝飯を食うことにした。例によってAmerican
Breakfastの中からChili Beansのかかったオムレツを選んでみた。なかなかウマいのだが朝飯にしてはかなり重い食事である。
とりあえず荷物をまとめてチェックアウトする。フロントでは自分から切り出すまでも無く、お湯が出たかどうか尋ねられた。お湯が出なかった旨伝え「おかげで目が覚めたよ」と言ったらウケてしまった。お年寄りだったら心臓麻痺になっているところであり、笑い事ではない。
何はともあれ近くの町で二回目の給油をし、水やスナックを買い込む。さすがNevadaのスーパーは賭博設備も完備だ。写真奥に見えるのは現金が賭けられるポーカーゲームである。
昨日来た道を、再びDeath Valleyに向かって戻る。天気もよく暖かく人気も無く、気分が良くなってきた。
- Rhyolite
ここで再びDeath Valley手前にあるゴーストタウンに立ち寄ることにした。ここRhyoliteという町は1904年に付近で金鉱が発見されたことにより始まった。最盛期には一万もの人が住み鉄道も通っていたが、現在では数えるほどの建物の残骸があるだけである。大恐慌の影響を受け人が去り、1916年には電気が止められゴーストタウンとなった。
これが町の外れにあるカジノと、倉庫になっている鉄道の貨車である。壊されないようにカジノはフェンスで囲ってある。
これは民家と車の残骸である。100年前のものにしては新しい(ましてや車なぞ無いはず) ので、後から持ち込まれたものではないだろうか。いずれにせよ、車などはなかなか趣きがあっていい。
街中にはいくつか廃墟を紹介した立て札があり、町が栄えていた頃の様子を教えてくれる。また、ストリートを示す看板も立っている。
あと、観光客に建物の保存を訴える看板もある。
これは銀行。建物の中央に頑丈そうな金庫室が設置してある。今も昔も変わらず、大通りの一番目につくところに位置しているようだ。
高解像度版はこれ、壁紙用セピア色版はこれ
これは宝石屋。やはり頑丈そうな金庫がよく保存されている。
これはよろず屋である。店の看板だけが残っている。
これは学校らしい。近くには朽ち果てた空き缶の残骸が転がっていた。
これは牢屋である。重い鉄の扉は溶接されていて開かないが、鉄格子のすき間から中が覗ける。
これは一般の家である。なる程当時の家は、今ほどは広くなかったらしい。
ここにはカフェが一件あるだけで土産物屋も無く、本当に北米の観光地はシンプルだ。かれこれ一時間以上も歩き回ってしまった。銀行や宝石商、牢屋だけが残るというのは何となく理解でき、満足であった。州道から入っていく交差点がちょっとわかりにくいが、ここはお薦めである。
- Death Valleyへ
州道へ戻り、再び州境を越えDeath Valleyに入る。この道は州を越えるとすぐに公園内であり、比較的立派な看板が設置してある。州境には鉄条網が地平線まで立っている。目的はわからないでもないが、ちょっとやり過ぎなのではないだろうか。
しばらく走り、昨日と同じくHells Gateを通過する。もう昼近くになって気温が上がってきたのか、遠くの風景が陽炎で揺れて見える。
- Devil's Corn Field
昨日と同じルートを逆にたどり、Stovepipe Wellsへ向かう。途中Devil's Corn Fieldが見える。なる程とうもろこし畑のように見えなくもない。
- Sand Dune
しばらく先にSand Duneが見える。公園内で何故かここにだけ砂があり、砂丘を形作っている。時間が無いので近寄って見物できなかったが、次に機会があれば是非歩いて近くまで行ってみたい。
- 昼飯の Chili Soup
昨日立ち寄ったStovepipe Wellsで昼飯を食う。重い朝飯が残っているので、一番少なそうなChili Beans
のスープを注文する。このスープは現地人エンジニアに「アメリカの納豆だ」と紹介されたことがある。なるほど融けたチーズが糸を引き、納豆のように見えないこともない。私は結構好きである。
- Death ValleyからBakers Field へ
昼飯を終え、本日の宿泊地であるBakers Fieldへ向かう。昨日とはルートを変え、州道190号線を国道395号線に突き当たるまで進むことにした。ここからは標高5000feet(約1500m)まで一気に登坂し峠を越える。ルートの途中からはDeath
Valleyがよく見える。
なお、キツい斜度と夏場の高い気温のため、このルートにはオーバーヒート要注意の立て札が立っている。この峠はTowne
Passという。
- Panamint Dry Lake
峠を越え引き続き190号線を進むと、目の前に干上がった湖が見えてきた。橋も無く、湖の中を道が通っている。
近くで見ると、細かい泥と塩のようである。雨が降ると、その瞬間だけ湖ができるのだろうか。
Panamint Dry Lakeを過ぎ、越えてきた山を振り返る。
- 190号線からの眺め(Father Crowley Point)
Lake Hillを越え、さらに山を越える。峠と思われる場所にFather Crowley PointというHistoric
Pointがあった。先程通り過ぎたDry Lakeがよく見える。
オーバーヒート時のためにラジエター用の水タンクが所々に設置してある。願わくばこんなものは使いたくないものだ。
- Sierra Nevada の山並み
国道395に入る直前、正面にSierra Nevada山脈が見えてくる。YosemiteやSequoia国立公園はこの一部だ。この山脈を越える道が限られているため、Death
Valleyへのアプローチの為に200mile近くの迂回が必要だ。
- Coso Junction で休憩
395号線に入り、途中Coso Junctionで給油兼、休憩をする。ここは近くにある米軍施設へ向かう道への分岐点である。
水を補給し、小腹がすいていたのでホットドッグを食った。ホットドッグはセルフサービスで自分で作り、キャッシャーで後程お金を払うようになっていた。ガキんちょ供が腹が減って絶叫モードに入っているので、ビーフジャーキーを与え黙らせた。
- Bakers Field での晩飯
Hotelの場所を探し、少しBakers Field市内をうろちょろした後、近くの中華料理屋で晩飯を取った。これは今回の旅行では初めてのオリエンタルフードである。SanJoseでも日本食が中心なので、ガキんちょ供は白米をむさぼるように食っていた。
本日の走行距離は約240mileである。ワインを飲み、写真の整理をしつつ早々に寝ることにした。
11/26
- Bakers Field からSan Joseへ
Bakers FieldのHotelであるHoliday Innを後にする。凄い濃霧なので、気を付けて運転する。
Bakers Fieldから州道99号線及び14号線を経由して国道5号線に入る。国道に入る直前のガソリンスタンドで給油と水の補給を行った。濃霧は消えたが、相変わらず薄く霧が出ている。
- 昼飯のIN-N-OUT Barger
さて、予定通りSanJose付近まで戻ってきた。ちょっと時間に余裕があったので、途中のOutlet Ship に立ち寄ることにした。ここは
SanJoseから約40mile離れたGilroyにある。食器と洋服を少し買い、時間もちょうど良いので昼飯を食うことにした。
さて、ここが新聞に「California人の心を捕らえて離さない」と紹介されたことのあるIN-N-OUT Bargerである。西海岸を中心のチェーン店である。
メニューはシンプルだが、ポテトを揚げる油にはノンコレステロールのコットンオイルを使い、野菜類はその日の朝に収穫されたものを使っているそうだ。パティは一度も凍らせていないと能書きに書いてある。なる程ハンバーガーにしては、なかなかウマい。そうそう、紙袋には「幼児虐待を発見したらすぐ通報を」と書いてある。なるほどここはアメリカである。
- 再び SanJose へ
残りの道を急ぎ、3時過ぎには SanJoseへ到着することができた。今回の旅行でも大きなトラブルも無く順調であった。習熟度もかなり上がってきたと思うが、油断しないように気をつけなくてはいけないだろう。本日の走行距離は約280mileであり、全日程で約1000mile走ったことになる。公園近くを除いてほとんどフリーウェイだったので比較的楽だった。
これまで何度も旅行をしているが、どこの国も自然をまわるのは最高だ。おそらく自分が生きている間は全く変わらない風景であり、いつでも過去の思い出をリアルに思い出すことができるだろう。将来いつ実現できるかはわからないが、Death
Valleyへの再訪を願わずにはいられない。
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